検察庁の職員、約1万1千人にのうち、検事は約1300人に過ぎない。
では他の約1万人はどんな人たちなのかと言うと、その大半を占めるのが検事の補佐的業務を行なっている検察事務官（高卒が大半）。
事務官という言葉から、単なる事務をする人という印象を与えるが（勿論、検事の秘書的な仕事が多いが）、検事の指揮の元、被疑者宅の張り込みや、家宅捜査（例のダンボール運び）、押収資料の分析と管理まで行う。
その検察事務官は、上の攻略ルートでも紹介しているとおり、難関の司法試験を受けずに検事へなれるルートの1つとしても存在している。

一般市民が検察官を最も目にするのは押収したダンボールを運ぶ検察官（＝検事）の姿がテレビに映っている時だろう。
しかし、何故、その現場をテレビ局は撮影できるのか？
これに関しては、家宅捜査を受けた鈴木宗男氏が、以下のように語っている。

「強制捜査に関していつも不思議に思うのは、なぜか事前にマスコミが知り、現場にテレビカメラが待ち受けていることだ。誰が事前に知らせるのだろうか。事前リークなくしてどうしてわかるのだろうか。検察側が誘導していることは明らかである。そして「段ボール箱を何箱押収した」と言うが、書類等をあの段ボール箱にぎっしり入れると、とても一人では持てない。捜査官は仰々ぎょうぎょうしく段ボール箱を抱えていくが、その中身はせいぜいノート一冊、書類少々で、極めて軽いものなのである。なぜわかるか。それは、平成１４年、私の事務所、自宅が捜索された時、段ボール箱にはもっと書類が入るところを少ししか入れずに、捜査官がただただ数多く運び出した様にしている姿を見ているからである。検察はこうした無駄なパフォーマンスをしているのだ」

検察も国民の支持なくしてはやっていけない。
そして、検察が活躍している姿を国民にアピールできる最大で、ほぼ唯一の瞬間が家宅捜査時のダンボール運んでいる姿なのだ。
マスコミに事前リークしたくなる気持ちも分からなくもない。

交通違反の取り締まりは警察官が行なっている。
よって、罰金の徴収も警察が行なっていると思われがちだが、実際行なっているのは検察庁。
その罰金（一括支払いが基本）を期日までに支払えない時は、労役（刑務所に併設されている労役所での強制労働）を果たされるルールになっている。
しかし実際には、罰金延滞＝労役、とはなっていない。
理由は労役では、お金が回収できないから。
そもそも労役とは、罰金を払えない人に国が職を斡旋して、労役従事者にお金を稼がせ、そのお金を回収する仕組み。
具体的には1日5000円で月曜日から金曜日まで、薬袋やマクドナルドの紙袋貼りのなどの軽労働をさせる。
しかし労役従事者の食費や管理費などの経費がかかり、トータルでは赤字になってしまうのだ。
よって検察は労役をなんとしても避けようとする。
そこで、罰金が期日までに払われない時は、分割払いにしてくれ、それでも払えない場合は資産の差し押さえとなり、最後に労役となる。